感情をマスキングしているために、能力があるように見えているのではないかと思えたら、「実際、このことについてひどく動揺しているようには見えないですね。それほど動揺していないのですか?それとも、内面では死にそうなのに、私には話していないのですか?」のようにあなたの愛する人に聞いてみましょう。愛する人に、身体の内部では何を感じているのか伝えてくれるように求めてもよいでしょう。
今やあなたは、愛する人の表向きの感情ではなく、現実の感情に効果的な方法で反応することができます。見せかけのコンピテンスについて覚えておくことが大切なのは、見せかけという言葉です。
あなたの愛する人が実際に能力がある状況は存在します。私たち全員にもそういう状況がありますし、私たちは愛する人に能力があるところを発見して、伸ばしてあげようとするものです。けれども、BPDを持つ人の周囲にいる人たちは,その人が能力を出せない文脈でその人が能力を発揮できるかのように扱いがちです。
これは理解されていないという感覚や、あまりに病的なので理解されないという感覚を助長してしまい、その瞬間の感情調整不全が増すでしょう。
次回で描写するように、感情調整不全は止むことのない危機というパターンにつながり得るのです。
次回は「ひどいことが私に起こり続けるのはどうして?」を紹介します。
「境界性パーソナリティー障害をもつ人と良い関係を築くコツ」シャーリ・Y・マニング著
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