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執筆者の写真FSG brog 管理者

ダイアリーカード

「あなたのダイアリーカードを見せてくれるかな? 今日の予定は何ですか?」

私はシャノンに尋ねました。

「ええっと、鞄の中のどこかにあるわ。あ、あった」

シャノンは自分の鞄をひっかきまわして探しながら言いました。

「私、彼氏のアレックスとの喧嘩のことを先生に話さなくちゃいけないわ。あの男は本当に最悪よ。どうしてあんな奴と付き合ってるのかわかんなくなっちゃった。アイツがしたこと、先生、絶対に信じられないと思う」

彼女はダイアリーカードを私に手渡しながらそう付け加えました。

「それではアレックスとの喧嘩について話す必要があるね。ちょっと待って――あなたは木曜にリストカットをしている、今日は絶対にそのことを話し合う内容に入れなくては。私は、木曜日に携帯電話の電源を切っていた記憶はないんだけど」(訳注:DBTでは、自傷行為をしそうになった時はセラピストに電話をかける取り決めとなっています)

私は軽い口調で言いました。

「だから、あなたがどうしてそのとき私に電話をかけてこなかったのかについても話し合わなくてはいけないね」

私は言い添えました。



最もシンプルなタイプのダイアリーカードは、カード一番上にターゲット行動を記し、その週の曜日を左側に縦に記した、マス目になっているものです。マスは対角の点線によって半分に分けられ、枠の下半分には、子どもがそのターゲット行動に取り組んだかどうかに応じて「はい」か「いいえ」を選び、どちらかに〇をつけるようになっています。枠の上半分では、子どもは、その日に最も強くその行動を行いたいと感じたときの衝動を段階的に評価するよう求められます。ダイアリーカードの裏側には、DBTスキルがすべて挙げられており、子どもはそれぞれの日に自分が実際に行ったスキルを〇で囲むよう求められます。DBTセラピストの中には、より多くの感情や行動を観察する、もっと複雑なダイアリーカードを用いる人もいます。


次回は「曲芸師としてのセラピスト」を紹介します。



「自傷行為救出ガイドブック ―弁証法的行動療法に基づく援助―」 マイケル・ホランダー著


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