再発を防ぐ
うつ病の症状がなくなってからも、しばらくの間は薬物治療を継続することで再発の可能性は低くなります。勝手に薬を減らしたり止めてしまったりすると、再発の危険性が高まるだけでなく、思わぬ副作用が出てしまうことがあります。薬物治療の終了時期や方法については、主治医とよく相談するようにしましょう。
また、前回うつ病になった時のことをよく思い出して、引き金となった出来事や環境、自分がどのようなストレスに対して弱いのかについて振り返ってみましょう。再発時にみられる症状(サイン)は、気分の落ち込みやイライラ感、不眠など、はじめにうつ病になったときの症状とほぼ同じですから、そのような症状がみられたらなるべく早く主治医に相談しましょう。自分では再発に気が付かないことがありますから、家族や信頼できる友人には再発のサインをあらかじめ伝えておくといいでしょう。
いのちを守る
残念なことに、うつ病のために自殺をしてしまう方は少なくありません。どうしてもつらい気持ちが募って死にたくなってしまったら、まずはあなたのつらい気持ちを家族や身近な人たち、そして主治医に話してみましょう。かならず力になってくれるはずです。死にたい気持ちがどうしても収まらない場合には、一時的に入院して危険な時期をやり過ごすことも一つの方法です。
社会復帰を焦らない
うつ病の治療には時間がかかりますが、適切な治療を継続することで社会復帰することができますから、遅れを取り戻そうと焦ることは禁物です。
復職を考えている方は、ぜひ、復職をサポートする「リワーク(復職)プログラム」を利用してみましょう。リワークプログラムは障害者職業センターで実施されているほか、病院やクリニックでも実施しているところがあります。職場復帰に必要な生活リズムの改善や復帰後のストレスへの対処法とセルフケアの方法について学べるほか、実際の業務に近いプログラムを通じて職場復帰に向けたウォーミングアップを受けることができます。詳しくは主治医や治療スタッフ、お住いの地域の障害者職業センターに相談してみましょう。
「患者さんとご家族のためのうつ病ABC」より
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