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気分調整薬

更新日:2022年7月11日


気分調整薬は,まさに名前通りの作用を及ぼします。すなわちこの種の薬は,これらの子どもたちにしばしば見られがちな,気分の極度な変動を調整することで気分を安定させます。


「まるであの子はジキル博士とハイド氏のようなのです」

ブライアンの母親は私に言いました。



「ある瞬間には世界は何もかもが良いかと思うと,次の瞬間には,息子は自分自身とすべてのもの,他のすべての人々に恨みを抱いているのです」



  気分調整薬として用いられる薬には基本的に三つの種類があります。最も長く使用されてきたのはリチウムです。痛風の患者をリチウムによって治療していた医師たちが,二百年前にその気分安定効果に最初に気づきました。しかしこの薬は,1970年代後半まで気分障害の治療に承認されませんでした。リチウムを服用している患者は,血中薬物濃度が高すぎないことを確認するために定期的な血液検査を行う必要があります。血中薬物濃度が高すぎると人体に有害となる恐れがあるからです。その他の副作用としては,顕著な体重の増加が見られます(残念ながら,これは子どもの気分を安定させるために用いられる薬の多くに存在する副作用です)。



  第二の種類は,バルプロ酸ナトリウム,ラモトリギン,トピラマートといった抗けいれん薬です。定期的に血中薬物濃度を調べる必要があるものもありますが、その必要がないものもあります。これらの薬には体重の増加を引き起こす傾向が幾らか見られますが,トピラマートは例外で,食欲を抑制します。子どもたちに時折見られるトピラマートの副作用は,動作がゆっくりになる,あるいは思考が緩慢になることです。


  第三の種類は,低用量の抗精神病薬です。特に比定型として知られている種類が用いられます。この種の薬には,リスペリドン,クエチアピン、オランザピンが含まれます。気分安定効果に加え,これらの薬は不安,睡眠困難,および衝動性の治療に用いることもできます。他の気分安定剤の場合と同様,非定型抗精神病薬も体重増加を引き起こす恐れがあります。また糖尿病の増加とも関連づけられてきました。低用量でも,これらの薬は子どもに一種の無気力と意欲のわかない気分を引き起こすことが時折あります。


次回は「抗不安薬」を紹介します。


「自傷行為 救出ガイドブック ―弁証法的行動療法に基づく援助―」 マイケル・ホランダー著


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