自閉スペクトラム症では、「社会的コミュニケーションおよび対人関係」「こだわり」の特性が見られます。自閉スペクトラム症は発達障害の一つであり、遺伝と環境の双方が関与して起こりますが、育てられ方が原因で起こるものではありません。注意欠如・多動症(ADHD)などの他の発達障害や、他の精神疾患。身体疾患が併存していることも多く見られます。
「自閉スペクトラム症」の症状
※自閉スペクトラム症には、「自閉症」「アスペルガー障害」と診断されていた疾患も含まれています。
●社会的コミュニケーションや対人関係の問題:
□通常の会話のやりとりが苦手であったり、他の人と感情を共有することが少ないという特徴があります。
□相手の表情や身ぶり手ぶりから、気持ちを読み取ることが苦手です。
□実際に目の前にないものや、架空の事柄を想像したり空想することが難しい場合があります。また、仲間に対する興味が薄いという特徴がある場合もあります。
●「こだわり」の問題:
□物を並べたり、叩くといった単調な行動を繰り返すという特徴がある人もいます。
□同じ習慣への強いこだわりがあり、少しの変化にも苦痛を感じることがあります。
□興味の範囲が狭く、特定のものにこだわるという特徴があります。
□聴覚、臭覚、触覚、視覚など、特定の感覚が非常に敏感または鈍感な人もいます。
自閉スペクトラム症の人たちは、生活に困難を抱えながらも外からはそれがわかりにくいため、発達の問題があることに気づかれにくい場合があり、「わがままで自分勝手」「空気を読まない」などと言われ、つらい思いをしてきました。こうした人たちの特徴は、正確の特徴ともいえますが、この特徴が著しく、社会生活を営む上で本人や家族、周りの人が困っていたりつらい思いをしているならば、困難が積み重なると、精神的にも辛い状況となり、他の精神疾患を併発するなと、二次的な問題につながる可能性もあるためです。
次回は限局性学習症について扱います。
「大人の発達障害」より
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