ADHDに似た症状を示す障害は他にもあるため、最終的な診断をくだすためには、他の障害や病気ではないことを確認する必要があります。
また、ADHDには自閉スペクトラム症などの他の発達障害や、他の精神疾患、身体疾患が併存していることも多く見られます。他の障害や疾患が合併していると、ADHDの症状が見極めにくくなったり、治療効果や将来に影響を及ぼしたりする可能性があるため、併存症の有無も適切に診断する必要があります。
ADHDの症状は、個人によっても違いますし、環境によってもあらわれ方が異なります。「どうして自分はこうなのかな?」と思っていたことは、実はADHDの症状が原因かもしれません。
これから日常生活の場面ごとにおける,ADHDの症状のあらわれ方の例を紹介します。
シーン① 職場や学校で
主に多動性が原因となって起こりやすいこと
〇会議中あるいは、仕事中(授業中あるいは勉強中)に落ち着かず、
そわそわしてしまう
〇貧乏ゆすりや机を指先で叩くなどのくせがやめられない
主に衝動性が原因となって起こりやすいこと
〇会議中(授業中)に不必要な発言をしてしまう
〇思ったことをすぐに言動に移してしまう
主に不注意が原因となって起こりやすいこと
〇会議や仕事(授業や勉強)に集中できない
〇仕事(課題)に必要な物をなくしてしまう、忘れる
〇仕事(課題)の締め切りに間に合わない
〇仕事(課題)を最後まで終えることが難しい
〇仕事(課題)でケアレスミスがよく見られる
次回は、「家庭で」を紹介します。
「大人の発達障害」より
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