
回復への3ステップ
うつ病から回復するまでの過程は、急性期、回復期、再発予防期の3つの段階に分けられます。
下記にごく典型的な経過と目安となる期間を示します。
◎急性期(診断~3か月程度)
十分な休養と適切な薬物治療によって1~3か月ほどで症状が軽くなるのが一般的ですが、人によっては半年以上かかる場合もありますから、焦らないで治療を継続しましょう。主治医の指示に従って、できるだけストレスの原因から離れて休養に専念することが大切です。
◎回復期(4~6か月以上)
調子のよい日と悪い日を繰り返しながら、徐々に回復していきます。調子の良い日が続いたからといって無理をしたり、勝手に薬を減量、中断してしまったりすると、症状が悪化して回復までに余計に時間がかかってしまうこともありますから、注意しましょう。
休職中の方は、以前のように働きはじめるには時期尚早です。うつ病になった当時のことを振り返ってみて、再発を防ぐためにはどうしたらよいのか、主治医と話し合いながら社会復帰後の過ごし方について考えておきましょう。
◎再発予防期(薬物治療:1~2年)
うつ病は再発しやすい病気です。症状が安定して社会復帰を果たしてからも1~2年間は薬物治療を継続して再発を予防しましょう。
自分の判断で、急に薬を飲むのを止めてしまったり薬の量を減らしてしまったりすると、めまいやふらつき、吐き気、嘔吐、倦怠感などが生じるおそれがあります。
かならず主治医の指示に従いましょう。
次回は「回復に向けて」をご紹介します。
「患者さんとご家族のためのうつ病ABC」より
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