カーミラは、自分に人生の問題を解決する能力があるとは考えていません。今この瞬間、彼女の前にある最大の問題は、自分のアパートを手に入れることです。そこで、彼女はその問題を彼女に代わってあなたに解決させようと頑張っています。あなたには他に努力を傾けるべき重要事項があり、彼女に自分でアパートを見つけてほしいと思っています。あなたにはそれが大して難しく思えないのですが、彼女は自分にはできないと主張します。彼女は何度も何度も電話してきます。彼女はアパートを見つけるためにすべきことを何もしようとせず、良い物件を見つけるために案内広告を読むことさえしません。今、彼女は現在の住居を失いかけているのに、いまだに新しい住処が決まらないのです。あなたが介入しなければならないか、彼女がホームレスになるか、どちらかです。このような状況に置かれたあなたは、彼女に腹を立てます。とはいえ、彼女はあなたの娘であり、あなたは彼女を大切に思っています。彼女が住む場所を失くすことを望んではいません。そして、彼女を家族の元に戻らせるという事態に対処したくもありません。そこで出かけていき、彼女のためにアパートを見つけ、賃貸契約書に連帯署名します。あなたはこの28歳の娘があとどれくらい自分に依存し続けるのだろう、いつになったら自分自身のための時間がもてるのだろうと考えます。
積極的受動性への反応方法を解明するために、以下の4つを自問することから始めましょう。
① あなたの愛する人は問題の解決方法を知らないのですか?
②その人の問題解決を開始する能力を感情が妨害していますか?
③その人には正しい解決策を特定できるという自信、あるいは自分の選んだ解決策を実施できるという自信が欠けていますか?
➃あなたはその人の助けの求め方に困らされていますか?
その人のことを非常に良く知っていて、このような状況での過去の経験が豊富であれば、質問①と②への答えは推測できるでしょう。あなたの愛する人は一般的な問題解決能力を示してきましたか?もしくは特にある種の問題を解決する能力を示してきましたか?
あなたがその人の歴史と今現在の身振り手振りに能力を妨害していますか?
質問③については、あなたの愛する人ははっきりと自信の欠如を表現するかもしれません。(「私にそれら3つの選択肢があるのは分かっているけれど、私はいつも選択肢を誤るの」)あるいは、ここでも先ほどと同様に、その人との経験から、その人には例によって自信がないとあなたは知っているかもしれません。
そして、その人が助けを求めてくる方法があなたにすぐに拒絶したいと思わせるかどうかは、あなただけにしかわかりません。ある種の要求あるいは嘆願は、私たちの「ホットボタン」(激しい反応を引き起こすスイッチ)を押します。そしてボタンは各個人で違っています。
次回は次のステップについて扱います。
「境界性パーソナリティー障害をもつ人と良い関係を築くコツ」シャーリ・Y・マニング著
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