忘れ物やミスが多い、上司や同僚、お客さんとのコミュニケーションがうまくいかない。提出物の期限が守れない、大事なもとをなくしてしまう、仕事や家事の段取りが悪い、空気が読めないと怒られる、、、など,
一つ一つは大したことのないように思える問題で、仕事や生活面に何らかの支障をきたしている人が多くいることが分かってきました。
こういったことは誰にでもあることですが、頻繁に起きていて、こどものことからずっとそうだったという場合、もしかしたらそれは努力不足などではなく、生来の発達のアンバランスが関係している可能性もあります。
発達のアンバランス、いわゆる発達障害とは、生まれもった発達上の個性(特性)があることで、日常生活に困難をきたしている状態をいいます。発達障害の代表的なものとしては、自閉スペクトラム症、限局性学習症、ADHD(注意欠如・多動症)などがあげられます。これらの特定を持つ人たちは、障害とは気づかれにくく、必要なサポートを受けられずに困っていることがあります。また、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらずなかなか状況が改善されません。そのため、自分自身を責めたり、本人が怠けている、悪気があってやっている、あるいは親の育て方のせいといった避難や誤解にさらされりつらい状況におかれがちです。
しかし、こうした問題は本人の努力不足や家族のせいではなく、脳の発達特性によるものだと考えられます。
本人や周りの人が、その人の発達特性を理解し、適切に対応することで、生活上の悪循環を断ち切り、状況を改善していくことができます。
次回はその中の自閉スペクトラムについて扱います。
「大人の発達障害」より
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