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曲芸師としてのセラピスト

青年期の子どもと一緒に治療の舞台を設定することは、3つのガラス玉に絶えず目をやっていなくてはならない曲芸師に似ています。少しでも間違えば、自分の足にガラスの破片は突き刺さってしまうのです。最初の玉は関係性の玉です。私は子どもと私が確実にうまくやっていけるようにしたいと思います。私たちの関係が時々試練に遭うことになることはわかっていますから、もし行き詰まった時でも、タフに、互いに好意と十分な敬意を持っているという確信を得たいと思います。

第二の玉は治療目標の玉です。つまり、その子供は何を変えたいと思っているのでしょうか、またそのプロセスに対する子どものコミットメントのレベルはどれほどでしょうか、私はその子どもにコミットメントさせる作業を大量にこなさなければならないでしょうか、それとも、その子どもは何らかの変化を起こす準備が整っているのでしょうか?

DBTセラピストとして、わたしは、これらの子どもたちに自傷をやめるとコミットメントさせるために、積極的に彼らに手を差し伸べる努力をしています。また、その瞬間に彼らができる最善のことをすればそれでよい、と快く受けいれるようにするのです。実のところは、もう絶対に自傷しないとコミットしてほしいところですが、そこままでなくても良いとし、そのコミットメントを確実にするために徐々に取り組み続けていくのです。

第三の玉は子どもの生活環境の玉です。例えば、その子どもの親は治療に協力的ですか?その子供は、多少の行動の波なら多めに見てくれる教育環境にいますか?特にDBTの場合は治療の初期段階で将来的に表出するかもしれない要素に留意し、それらについて話し合います。



次回は「マシュー:問題がどのように発生したかを理解する」を紹介します。



「自傷行為救出ガイドブック ―弁証法的行動療法に基づく援助―」 マイケル・ホランダー著


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